成人の約8割の方が「歯周病」だと言われています

歯周病は「日本人の国民病」とも言われており、成人の約80%が罹患している、もしくは予備軍であると考えられています。高齢者がかかる病気だと思われがちですが、近年は10代や20代といった若年層が歯周病を発症するケースも増えています。歯周病のリスクが高まるのは、免疫力が低下しはじめる30代からです。日吉駅から徒歩14分の歯医者「はっとり歯科クリニック」では、歯周病の基本治療から歯周内科処置、歯周外科処置まで、患者さんお一人おひとりの症状に合わせたさまざまな治療メニューをご用意しています。

歯周病という病気

歯周病は、プラーク(歯垢)の内部に潜む歯周病菌が歯周組織に炎症を引き起こすお口の病気です。ほとんど自覚症状がないまま進行していくという特徴から、サイレント・ディジーズ(沈黙の病気)とも呼ばれます。はじめのうちはブラッシング時に歯ぐきから血が出る歯肉炎になり、少しずつ顎の骨が溶かされていく歯周炎となり、最終的には支えを失った歯が抜け落ちてしまうこともあります。原因とメカニズムがわかっている歯周病は予防できる病気です。早い段階から適切なケアを行い、歯を失わないように努めましょう。

日頃の「セルフケア」と定期的な「プロケア」

歯周病菌はプラークの中で増殖するため、毎日のブラッシングと補助的清掃器具(デンタルフロスなど)でプラークをしっかりと落とす必要があります。しかし、どんなに丁寧にブラッシングやフロスを行っても、完璧にプラークを取り除くことはできません。プラークが蓄積して石灰化したものが歯石です。毎日のブラッシングとデンタルフロスなどとのセルフケアと併せて、定期的に歯科医院でのプロケアを受けることで予防することができます。

歯周病の進行段階

【歯肉炎】
プラーク(歯垢)や歯石が歯周ポケットに付着し、歯ぐきが炎症を起こしています。歯ぐきが腫れたり、ブラッシング時に出血したりします。
この段階であれば丁寧なブラッシングや、歯科医院で行うスケーリングによって、プラークや歯石をとり除き、歯周病の症状を改善することが可能です。

【歯周病初期】
歯肉炎が進行して歯周ポケットが徐々に深くなり、細菌による感染が広がります。歯ぐきの腫れやブラッシング時の出血だけでなく、歯ぐき内部にある結合組織が溶けはじめます。溶けてしまった結合組織はもとに戻りません。この段階でも、歯周病の自覚症状はほとんどありません。

【歯周病中期】
歯ぐきの炎症がさらに悪化し、歯ぐきの腫れがひどくなります。歯周組織の溶ける範囲が拡大し、歯を支える骨まで溶けてしまうこともあります。歯周ポケットはさらに深くなり、歯周ポケットの中に歯石が溜まっていきます。ブラッシングによる出血によって、歯周病に気づく人も増えてくる時期です。

【歯周病重度】
歯周組織の炎症がさらに進みます。歯周組織が壊され、歯を支える骨が溶けていき、歯ぐきも下がってきます。ブラッシングすると出血するだけでなく、膿が出たり、口臭が気になったりします。

【歯周病末期】
歯ぐきの色は赤黒くなり、ひどく腫れることもあります。ちょっとした刺激だけで出血したり、膿が出たりすることも。口臭もひどくきつくなります。歯ぐきがさらに後退して、歯が長くなったように見えることもあります。歯を支える骨が溶け、歯がグラついてしまうので、しっかりと咬むことも難しくなくなります。そして何もせず放置していると、最終的に歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病治療(基本的治療)

スケーリング


スケーラと呼ばれる器具で、歯や歯周ポケットに付着している歯石やプラークを除去します。

SRP


歯根面に付着した歯石を取り、デコボコになった歯の表面をツルツルに磨く処置です。プラークの再付着を防ぎます。

PMTC


歯科衛生士が行う専用の機器を使用した歯のクリーニングです。ブラッシングだけでは落とせない汚れも除去できます。

若い人も注意が必要です

歯周病は高齢者がかかる病気と思われがちですが、30代からかかる人が増えています。35歳頃から歯周病によって歯を失う人が増えていき、45歳を過ぎると虫歯を抜いて歯を失う原因の1位となっています。毎日の生活習慣とも深く関わりがあることから、生活習慣病の一つといわれる歯周病。その一方で、セルフケアやプロのケアによって、予防も可能な病気です。大切な歯を失うことのないように、歯周病予防に心がけましょう。